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舞台の映像をビデオカメラで記録する

2020-01-23

はじめに

演劇やその他パフォーマンス等で、本番で舞台上の演技の映像を記録する機会があると思います。 ですが、大学のサークルや高校などの部活動や、中小規模の団体では、活動規模の関係上、撮影に充てられる予算が限られている場合,家庭向けの機材を使い撮影をすることがほとんどです。 また、舞台という照明環境の特殊さから、そのような機材では「白飛びして演者の顔が全然見えない」といった現象を起こしがちです。 筆者もパフォーマンス系のサークルで、撮影スタッフとして舞台上の映像を撮影をする経験が何度かありましたが、気にしなければいけない点が多いため、知見を共有して引き継ぎづらいという点がありました。 今回は、「撮影担当になった・撮影機器を見繕ってくれと言われたけれど、あまり知識がない…」という人向けに、自分が意識していたこと、実践したことを書きました。

ビデオカメラを使う

比較的低予算で購入できる撮影機材として、ビデオカメラを使います。 「スマホじゃだめなの?」という意見があると思いますが、画質を落とさずにズームができるという点でビデオカメラが勝ります。 通常、スマホのズーム機能は、「デジタルズーム」といい、等倍で撮影した動画の中心部分をトリミングするような形でズームを実現しています。 ですが、ズームした動画でも動画の縦横サイズは同じなので、ズームした動画の画質は粗くなってしまいます。 また、一部のスマホでは、望遠レンズを搭載したモデルがありますが、観客の邪魔にならないために客席の一番後ろから撮影する場合が多いため、望遠側のレンズでも十分にズームできない場合が考えられます。 そのため、ビデオカメラの「光学ズーム」のように、レンズの前後でズームを実現するようなカメラを使用することで、画質を粗くせずに撮影することができます。

カメラの選び方

「スポットライトモード」や「マニュアルの明るさ調整 (露出調整)」がついているカメラを選びます。 ほとんどのカメラでは自動で明るさを調節する機能がありますが、舞台では大概白飛びします。 舞台上では、「演者がスポットライトで照らされていて明るいが、背景が黒幕や照明効果によって暗い」といった特殊な状況で、このとき、背景をはっきり映そうとして明るくしてしまい、演者が白飛びします。 白飛びしてしまうと、後から編集で明るさを落としても飛んだ部分はもとに戻せないので、撮影時の設定が重要です。 一部のビデオカメラには、「スポットライトモード」というモードがあり、舞台の特殊な照明環境に対応できるような設定ができます。 スポットライトモードでも対処できない場合,録画中に舞台の明るさに合わせて手動で調整ができるようなカメラだとなお良いです。

三脚を選ぶ

長時間の舞台では手持ちでは厳しいので三脚を使います。 演者の動きに合わせて左右に動かす場合がありますが、ビデオ向けのものを使わないと、スムーズに動かしづらく、カメラがガクガク動いた結果、疲れる映像になってしまいます。 ビデオ用三脚のかなりザックリした見分け方ですが、「三脚の上に乗っている台が、途中で曲がっている長い棒が一本ついているやつ」のものがビデオ用のものです。 わからない場合は、カメラ店や電気屋でビデオカメラ用の三脚を探していることを聞けばいろいろ出してくれると思います。

実際に設定する

実際に本番の会場で、設定を整えます。 今回は、明るさ設定の方法に絞って說明するので、三脚の細かな設置方法は割愛します。 三脚の向きや水平のとり方など、余裕がある場合は調べてみてください。

照明合わせの際に明るさを合わせる

本番前に、照明の確認やリハーサルで実際に使用する照明の明るさを確認することがほとんどです。 このときに、実際の明るさや照明変化を見つつ、

を確認し、カメラの設定を詰めていきます。 ここで明るさ設定を確定できるとベストです。 このときのコツですが、事前に照明の進行がわかっていると、どこで演者と背景の明るさの差が激しいかといったことが把握できるため、その箇所に合わせるように調整するとベストな設定にしやすいです。

まとめ

舞台映像の撮影には特殊な環境のせいで覚えることが多いですが、これらのポイントを押さえれば、失敗映像になってしまう可能性を大きく下げられると思います。 ぜひ試してみてください。

参考